お天日干し大根ができるまで
<土づくり>
八月夏野菜収穫後、畑を深耕し、土壌消毒を行い、たっぷり肥料を鋤きこみ土作りをします。
<播種>
9月5日~10月10日頃に干し理想大根種子を株間約25cm~30cmに3~4粒づつ蒔きます。約2週間で本葉となります。
<間引き>
本葉になった頃間引きをし、一粒とします。(間引き菜は塩漬け等で美味しくいただけます。)
<生育管理>
1~2週間経つと葉がぐんぐん育ちます。(干し大根にとって葉っぱがなければ干せずとても大切です。)
播種から約80日経ち、畦間が葉で覆われた頃、大根はすっかり大きくなっています。
<収穫>
一本の重量が約1.0~1.5kgになった頃収穫が始まります。収穫には大根抜き取り機が大活躍です。
抜き取った大根は大きさによって選別しきれいに並べられ、結束機で2本~4本づつに束ねられます。
<洗浄機>
大根洗浄機で真っ白に洗い上げられます。
<大根掛け>
高さ約6mの屋根型につくった干し棚(櫓)に一束づつ掛けます。
<冬の風物詩>
たくさんの干し棚が並んだ様子は見事で宮崎の冬の風物詩となっています。
<干燥>
約2~3週間干し、縦しわのきれいに入った上干しの本干し大根となります。
<収穫・選別>
棚に登り、ハサミで干し大根の葉を下に置いたトラックの荷台に集めます。
たくあんの漬け込みから熟成
<入荷>
干しだいこんは、サイズごとに選別され、生産者の名前の書かれた札をそれぞれのコンテナに入れられて、生産者によって工場に運び込まれます。その札はサイズごとに色分け(ピンクや青色、白色など)され、サイズごとパレットに仕訳され、受け入れとなります。この際、必ず、干しだいこんの乾燥状態、形状、サイズなど検品されます。
<上干し>
「上干し」と言われる干しだいこんはだいこんの葉の付け根の部分までしわが寄ります。さわるとふわふわしています。干すのに適した「干し理想系だいこん」特有の形状で葉の付け根の部分が細く、尻尾に近い部分が太くなっています。
※通常は葉落としの状態での受け入れになります。
<漬け込み>
創業時からの地下タンクに漬けます。昔ながらの手作業で一本一本ていねいに漬け込みます。
<一本一本を手作業>
大根と大根の隙間を埋めるよう、一本一本押しつけるように漬け込みます。透き間が空いてしまうと米ぬかなどが下に落ちてしまい、変色してしまいます。いかに隙間を少なく漬け込むかが漬け込み後の仕上がりを左右します。
<まくら>
だいこんのふちは隙間が空きやすく、下がりやすいので、一回漬けるごと、だいこんに「まくら」をひいて、隙間を埋め、平らに漬ける工夫のひとつです。
<しお>
これが昔ながらの割合のままの国産米ぬか、自然結晶天日塩、唐辛子を混ぜ合わせたものを「しお」と工場では呼びます。干しだいこんの大きさ、乾燥状態に応じて、塩加減を増やしたり、減らしたり、「塩かげん」が職人さんの腕の見せ所です。
<しおふり>
あらかじめ混ぜておいたぬか漬けの素「しお」を、だいこんの分量にあわせてまんべんなく「ふり」ます。まばらになると塩度のばらつきが出てしまい、あとで調整は大変に難しくなります。
<仕上げ>
上部の方が外気と触れやすく変色しやすいのでさらに丁寧に一本一本並べます。
<はりぬか・はりじお>
最後に変色・腐敗を防ぐため、米ぬか、天日塩を多めにふります。ここで手を抜いてまばらになったりしたら今までの苦労が台無しになってしまいますので、慎重に行います。
<熟成>
このまま熟成期間となります。通常の原料はそのままつけあがった塩水に冷凍機で冷やし、塩水温度を4℃に設定し、低温熟成発酵させます。
※三年もの原料は、さらに漬け替えを行い、常温で熟成させます。
<出荷>
その後、必要に応じて原料を出し、加工・出荷されます。こうして一本一本ていねいに手作業でつくられた『たくあん』がみなさんのもとへお届けされます。